
2020-09-20
事業戦略の話
市場機会をとらえ、優先的に取り組むフィールドを特定する
まず目の前の利益を作ることも重要ですが、継続して売上をつくりつづけ、発展することは難しいといえます。もともとあったクライアントの人脈が尽き、今取り組んでいる案件が終わってしまうと、そのあとはアウトバウンドで営業するしかありません。
営業のリソースが少ない場合ならなおさら、極力集客を仕組化して、「宣伝しなくてもお客様に想起され、売らなくてもお客様が買いたいと思う」価値をつくること(=マーケティング)は重要なタスクの一つです。
今回は、mannakaがサポートしたある動画制作のベンチャーでのマーケティング戦略について、その市場機会の分析の考え方をお伝えします。
マーケティング戦略策定の基本的なプロセス
マーケティング戦略策定は、基本的に次のプロセスを踏襲します。
①外部・内部環境分析
②セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
③マーケティングミックスによる市場展開
①外部・内部環境分析
自社が属する市場の動向、自社のもつリソースや課題を分析し、市場機会を発見します。
②セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
特定した市場について、同じ特性をもつ顧客のニーズごとに市場を切り分けます(セグメンテーション)。そのうえで、自社がターゲットとする顧客群を特定します(ターゲティング)。ターゲット顧客に対して、自社を優位に見せる競合他社との差別化ポイント、顧客のニーズに対する訴求ポイントを整理します(ポジショニング)。
③マーケティングミックスによる市場展開
上記の分析結果をもとに、商品・サービスの具体的な価値や値段、展開方法を検討します。マーケティングミックスは、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字をとって「4P」と略されます。
今回は、①外部・内部環境分析を検討する際のフレームワークを紹介します。
クロスSWOTで市場機会を分析・発見する
自社が属する市場の動向をとらえ、どんな機会(Opportunity)や脅威(Threat)があるかを分析します(外部環境分析)。また、現在自社が持っている強み(Strength)、弱み(Weakness)を分析し、どんなリソースが活用できるのかを分析します(内部環境分析)。これらの頭文字をとって、「SWOT分析」とも表現されます。
横軸に外部環境(機会・脅威)、縦軸に内部環境(強み・弱み)をとり4象限で市場機会を分析するフレームワークを「クロスSWOT」と呼びます。

4象限すべて市場機会になりえますが、やはり「機会×強み」が掛け合わされるところがもっとも難易度が易しく優先順位が高いといえます。
今回mannakaが支援した例では、競合他社が多数いるサービス領域だったため、改めて自社の強みは何か、取り組むべき市場機会は何かを検討しました。その中で、限られたリソースを最大限活用できるよう、「機会×強み」の領域で市場機会を見出すことを方針としました。

コロナの影響で、外部環境が大きく変化しています。また、これまで強みだった側面が、環境が変化したことによって強みではなくなったという場合もあるかもしれません。改めて、現状の自社のおかれた環境を分析し、自社が取り組むべき市場を再定義してみてはいかがでしょうか。
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